「バーチャル先物取引」は、仮想現実の世界で先物取引 (「さきものとりひき」と読みます)を 行うことです。
未来祭でバーチャル先物取引体験会を行う理由は、大きく分けて2つあります。 今、私達の身の回りで起きている出来事(社会的背景)と、 このような企画は未来大学ならではのものである(学内的事情)の2つです。 以下、順に説明していきます。
皆さんが「市場」(「しじょう」と読みます)
と聞くと、多くの方が「東京証券取引所(東証)」などの
有名な市場を思い浮かべると思います(先物市場は、あまり馴染みがないでしょう……)。
でも実は北海道にも「札幌証券取引所」があります。ただ、その取引数量は
東証とは比べ物にならないぐらい少ないです。
証券所の取引数量が多くなればなるだけ、企業は資金を集めやすくなり、
新しい事業に取り組みやすくなります。そこで、どうしたら取引数量が多くなるか、
何か良い方法はないものでしょうか?
一方で例えば最近話題のライブドアや村上ファンド------自分達にとって 有利になるように株価を操作した疑いが持たれています。株価などを 不正に操作することを禁止するルールを作る前に、どのような状況だと 株価が操作できるのか、調べる必要があります。
ここまでのお話は、先物市場とは一切関係のない、普通の株式市場のお話でした。
でも最近、私達の身近なところでも先物市場の影響が出始めていることがあります。
それはガソリンの値段です。
ガソリンの原料である石油は先物市場が存在します。先物価格と現物価格の関係は
どんな関係にあるのでしょうか?
このように私達の身の回りには、市場に対するさまざまな疑問や問題があります。
でも、実際の市場を使って調べたり、実験したりすることは
大変困難です。
そこでバーチャルな市場を作って、どのような現象が起きるか観察する……
これなら簡単に、安全にできます。
どうして未来大で市場なんだろう……とお思いの方も多いのではないでしょうか?
未来大は情報科学をやっているんであって、経済学をやっているのではないハズ……。
でも実は未来大だからこそできる市場研究があるのです。
まず、情報科学としての市場について------
ある会社の株価がたとえば1,000円の時に、「買う」という人と「売る」という人がいて
初めて売買取引が成立します。
「売る」という意見の人と「買う」という意見の人が存在するのです。
同じ株価という情報を見て、新聞などから同じ情報を得ているのに、不思議だと思いませんか?
同じ情報を持っていても、どの情報を重視するか(これを専門用語で「重み付けする」と言います)?
重み付けのルールを習得することは、プロへの第一歩です。
もし近い将来に市場での売買取引を行うロボットが誕生するとすれば、その頭脳には
「重み付け」が組み込まれているはずです。
次に、実験環境について------
『バーチャル先物取引体験会』の会場は、経済学実験室です。
未来大の経済学実験室には、
30名が一度にアクセスできるコンピュータがあります(リンク先の情報が少々古いため
コンピュータのモニタが邪魔なぐらい大きいですが、今はスリムな液晶モニタが
備え付けられて快適です)。
このコンピュータが置かれている席は、他の人に画面を覗き込まれないように
仕切りが取り付けられています。
なお、これは世界でも最大クラスの規模です。
さらに『バーチャル先物取引体験会』では、
私達ヒトが取引に参加するだけではなく、ヒトが機械と取引を体験することもできます。
ここで言う機械は、先程も少しだけ触れましたが、売買取引を行うロボットのような存在です。
ただこのロボットのような存在は(普段テレビなどでよく見かけるようなロボットとは違って)
体がないのですが……。
当日はロボットのような存在が20台以上参加します。
このロボットのような存在のうち何台かは、未来大の学生によって開発されたものが混じっています。
今年は2つの部門を用意しております。
ご自分に合った部門に参加してください。
当日直接会場にお越しください。経済学実験室にあるパソコンの使い方を習ったら、
実際に取引に参加してみましょう。
事前の予約は不要です。定員(各回とも30名)になり次第、締め切らせていただきます。
皆様お誘い合わせの上、ご来場くださいませ。
こちらから
必要なキットをダウンロードして、ロボットのような存在(エージェント)を作成してください。
使用言語はJavaです。
キットの中にはエージェントの見本がいくつか含まれています。これらを参考にして
頑張って作成してください(作り方のヒントはこちら)。
出来上がったエージェントは、c4me(a)miraisai.netまで
メールで送信してください。〆切は10月6日(金)午後3時到着分までです。
インターネットが使えない方は、10月6日(金)午前9時から午後2時まで未来大学R710で受け付けております。
CD-ROMもしくはUSBメモリもしくはCompactFlashで持ち込んでください。
なお、当日の持ち込みは受け付けておりません。
2006年度の国際大会は11月末に予定されています。
国際大会に向けた腕試しとして、他大学・他研究機関からの参加もお待ちしております。
現在調整中です。
なお、企業や団体からの寄付(および共同研究)を受け付けております。
未来祭への寄付金はitou(a)miraisai.net、
人工市場研究に関する共同研究のお申し込みは
g3105006(a)fun.ac.jp
(大学院・和田)まで
お気軽にお問い合わせくださいませ。
機械部門での参加者にはもれなくログファイルをプレゼントいたします。
人力部門での参加者でご希望の方には、パソコンで一人で遊べるソフトをプレゼントいたします。
なお、このソフトは「バーチャル先物取引体験会」で使用したものと同じソフトで
通信機能がないタイプのものです。CD-ROMでお渡しします。
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